聖徳太子(はんにゃの会)

2月24日、南禅寺の近くにある。
順正という料理屋さんで般若の会というのが行われました。
久留米の吉富和尚様が主宰されている会です。
その会で15分の法話を頼まれ、私は聖徳太子の話をしました。

聖徳太子が生きておられた時代はとても大変な時代でした。
国家間で戦争も頻発していましたし、国内でも皇太子が何人も殺されたり、
さらには天皇陛下まで殺害される事件が起ったような時代でした。

そのような中で、いかに生きるか、
何を道しるべにして生きるかを
徹底的に考え抜き、それを現代に残るような形で残し、
日本の基礎を築くような大事業をしたのが聖徳太子でありました。

具体的には十七条憲法、冠位十二階を作り、
さらには法華経など代表的なお経を3つ選び、それの解説書を執筆しました。

千四百年前に書かれたものですが、
実に深く人間性の本質を見つめたもので、
現代人が現代を生きていく上でも本当に重要な意味をもつものです。

「何事か成らざらん」という言葉が、憲法十七条に二回出てきます。
どんなにたいへんな状況であっても、
問題がいかに深刻であっても、
自分がいかに欠点の大きい人間であろうとも、
「信があれば何事も成就する」
「全く異なる考えの人たちが、和をもって事を論ずるならば何事も成就する」
こう力強く聖徳太子は宣言しています。

困難な時代を生きる人間、欠陥の多い人間にとって、
本当に光となる言葉、勇気を与えてくれる言葉です。

 


2024年02月29日